お手本 その2(主体性)
先述の、女性。
20代だった私に、多大な影響を与えた人。
この人について語ったら、私は本が1冊書けると思う。
そのぐらい、キャラ立ちしている人だ。
キレイな人。
でも、彼女ぐらいのレベルの女は、この国にはそこら中いる。
彼女の魅力は、外側の美ではない(参考になる要素も沢山持ってるけど)。
また、性格や人間性に秀でている訳でもない。
ということで、中側の美、でもない。
では、私の「お手本」とまでなった、彼女の性質は何か?
色々あるけれど...
その中の一つは、「主体的な生き様」だ。
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彼女は、自分が魅力的であることを知っている。
で、そんなことは別にどうでもいいと思っていることが、
言いはしないけど、態度でわかる。
優越感に浸ったり、それを利用しようとかいう発想はない。
男ウケとか、どうすればモテ女になるか、とかいう次元にそもそもいない。
彼女の頭には、他人はいない。
だからといって、「女っぽくないサバサバした」人ではない。
「何もしないけど、元々キレイなの」な人でもない。
ショッピングが大好き。
服が好き。靴が好き。バッグが好き。
高級化粧品や香水が大好き。エステやネイルサロンも好き。
ダイエットもするし、ジムにも通う。
女友達と連れだって出かけることもある。
「綺麗だけど、さっぱりした性格なので嫌味を買わず、女友達が多いでーす」
っていうの、よく聞くでしょ?それでもない。
繰り返すが、性格美人ではないのだ。
仕事上の関係で、彼女に付き添ってある国際会議に参加した時、
彼女は、これまた会議に参加していたとある大金持ちのアラブの男性に
「飛行機チケット代も滞在費も出すから、今度自分の国で会わない?遊びに来て」
と誘われたことがある。
隣にいた私的には「!_!_!_!_!_!_」な「事件」だったけど、
彼女は余裕の笑顔で「ありがと。でも、興味ないの」。
そこで何も言わずにいれば、サバサバ美人かさっぱり美人(笑)
でも、彼女は、職場に戻ると、
皆の前で「アラブの石油王の第4婦人になれるところだった」と笑って語る。
自慢、というよりは、あー面白かった、みたいな感じで。
美人で性格も良くて仕事もそつなくこなす女、なんて、
聞こえはいいけど、つまらない。
そんな世間が作った「型」には、はめることが出来ない。
彼女は、雑魚は相手にしないし、嫌なことはやらないし、他人の都合は気にしない。
「皆さんとそつなく楽しくやっていきましょう」という発想もない。
でも、一匹狼的発想もない。
トイレ友達・ランチ友達はいないけれど、
「私、群れずに自立したカッコいい女なの」でもない。
自分がキレイかどうかとか、他人がどう思っているか、なんてことより、
ただ単に、ショッピングや仕事(=お金)やバカンスの予約など、
自分が欲しいモノをどうやって得るか、計画を叶えるか、で常に忙しい。
そんな人。
どこがお手本?
勿論、彼女の全てがお手本な訳ではない。
でも、彼女は見事なまでに、他人に惑わされずに自分の人生を生きていた。
主体的に生きるのは、自己中であることと似ていて、全く違う。
下手すると、只のお子様ワガママ女子になるので、難しい。
そして、私達日本女性が一番苦手なテーマであるような気がする。
日本語で「キレイになる方法」関連のまとめを見ると、
気が利く女になりましょう、とか、
言葉遣いに気を付けましょう、とか
笑顔を絶やさずにいましょう、とかある。
勿論それらはとても大事な事。
でも、何かなあ...弱々しい感じがするのだ。
そんなんじゃなくて、もっとドーンとした、圧倒的な魅力...を得るには?
そんな考えでいた20代の私に
主体的に生きることが不思議と魅力につながることを
目の前で、何のてらいもなく、さらっとやってのけた女が彼女だった。
(つづく)
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