【若づくり】から【粋】へ
今日の一歩
小娘にはない奥行のある美が、今なら出せることに気づこう
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信号待ちの交差点で、前にいる女性を何気なく見ていた時のこと。
白人。風に揺れる金髪ウェーブは色がグラデーションになっていて、美しい。
その日の彼女のファッションは、なかなかシックで目を引いた。
上質な黒のジャケット、同じ素材の黒のタイトスカート、黒のブーツ...黒づくし。
とても寒かったその日に相応しいコーデのように思えた。
だが、その女性が横を向いたときに、
全体の雰囲気を破壊する、恐ろしいものが見えてしまった。
シワ、だ。
俗に言われる「イタい」を、実際に見た瞬間だった。
シワそのものが悪かったのではない。
実際、横を向いた彼女は、シワはあるけどかなりの美人で、お化粧も控えめで上品だった。
でも、明らかに若くないと思わせるその顔と雰囲気は
「結婚20年、子供3人いて、週末は義理家族とディナーです」的な空気を醸し出していて、首から下のコーデのイケイケな雰囲気とは、全く別人だったのだ。
世間が語るファッションにおけるイタさというのは、非常にわかりにくい。
アラフォーが20代と同じファッションをするのはイタイ、というのは解るけど
「これはダメ」「これはOK」というハッキリとした境界線はないし
大体、それは、その人の生き方、個性やルックスに、大きく左右される。
アラフォーでも、イタいファッションでも余裕で似合ってしまう人もいる反面、
20代でも既に似合わなくて、NGな人もいる。
雑誌などでは、「大人の上質」とか、「痛くならない」とかいう形容詞で、40代以上のファッションを取り上げることが多いけれど
私はどちらかというと、今迄の人生、30であろうが40であろうが、
年齢で縛られない美しさなどを追及するファッションをしてきたほうだ。
(そういう「40代の」とか呼ばれるファッションコーデのおススメで素敵なものを余り見たことがない...なんで40代というだけで、あんなに地味にならなきゃいけないのか...)
しかし、あれだけ「後OK、前ビックリ!」を目の前で実演された後は、
やはり他人ごととは思えなくなり、しばし冷静に考えさせられた。
というのは、前述の彼女は、色々な意味で、『キレイ偏差値』の優等生だったからだ。
恐らく、美しくなるために日々努力しているのだろう。
中年になって、体型もなにもかもたるんで諦めた女とは、一線を越えていた。
それなのに、いや、だからこそ、あの「イタさ」は、同じものを目指す同胞としてショックだった。
彼女には、何が足りなかったのか?
私が言いたいのは、「シワは怖いよ」「中年になったら中年らしい格好しよう」
ではない。
シワがあったとしても、40以上でもイケイケファッションしても粋になれる人は大勢いるし(夏木マリさんや、寺田恵子さん)
芸能人ではないとしても、
身近にも、歳もシワも関係なく、有無をいわせず「素敵」な女性はいるのだ。
この差はどこから出るのだろう?
私が思うに、アラフォー女のイタさというのは、まず99%は基本的なことで避けられる。
それは、以下を死守することだ。
1.体系維持(太らない)
2.女を捨てず、愛し愛される(実際にするしないに限らず、既婚・独身に限らず、いつでも男性を意識し、恋愛が出来るメンタルと体を持つ)
3.やることや目標があって充実している(自分の人生に集中すること。自分より他人にお節介焼きたくなるのがおばさん)
4.内面が大人(言動や思考が知的で上品、余裕と寛容性がある)
5.健全な生活(中年以降はこれが出来ないと致命的。堕ちます)
そして、それプラス、こちら。
『若さ=美しさではない』と腹の底から納得し
『自分における若さ以上の美しさは何か』を理解し
それを上手く自分にプロデュースできる力
これ、なかなか難しい。
上辺では理解しているつもりでも、腹の底から納得しないうちは、
「若く見えたものが勝ち」というファッションやメイクになってしまう。
意識せずとも。
これが、自分は気づかなくとも周りには見え見えで、イタさを呼ぶのだ。
雑誌などで「40代の~」のファッションを研究するのもいいけど、
ファッション雑誌などは全体を見た妥当性な意見を言っているだけなので
取り入れる時には注意が必要。
他人の意見に振り回されることほど、ファッションや生き方において悪いものはない。
でも、自分よりレベルや意識が高い人たちに謙虚に学んだり
周りの正直な意見を聞くのも、時には重要だ。
一番のお勧めは、身近な男性に聞くことだ。
男性は、女性には気づきにくい、本来の女性の美しさを引き出してくれることが多い。
だからこそ、あれほど有名なファッションデザイナーに男性が多いのだし。
女性は、あまりお勧めしない。
女性はお世辞を言うのが上手いし、自分以外の女を良く見せることにはさほど興味がない、というのが本音だ。
かなりセンスのいい信頼のおける友人か
プロ意識の高いショップの店員さんなどならいいだろう。
先述の女性は、ミニ丈のタイトスカートが、ロングのタイトだったら完璧だった。
恐らく、同じようなスタイルで、20~30代の時には喝采を浴びたのだろう。
その栄光を忘れられないでいるのかもしれない。
彼女自身が、そう思っているであろうことが、そう言わなくともファッションで見えてしまう。
40だろうが60だろうが、ミニスカートをはいても一向に構わない。
『それが、そのシチュエーションで、あなたを最高にキレイに見せるかどうか』は別の問題だ。
丈をロングにしただけで、一瞬で『若く見えたい必死さ』が『大人上品』に一変する。
枯れてしまう地味コーデではなく、黒づくしであるところが、成熟した女性の色気となる。
シワは、加齢ではなく、精神面・生活面での充実(経験豊富そう、家族がいそう、子供がいそう、等)と映り
ラフな金髪・お化粧のナチュラルさがこなれさを出し
トータルで「成熟したキレイな女性」となるのだ。
アラフォーともなれば、遺伝的に全く目立たないラッキーな人を除いて
シワとたるみは避けて通れない難題だ。
私は外国に住んでいるので
30代は童顔のアジア人の恩恵をかなり受けていたが
アラフォーになってから、クッキリハッキリと出てくるシワに驚く毎日だ。
これは、受け入れてしまったものの勝ちだと思う。
といっても、何もしないのではない。
自分ケアをしなくなったアラフォー女の干乾び様は、それこそ目も当てられない。
スキンケアなどのアンチエイジングはしっかりとしつつも、
精神面で「ああ、シワが~!」といたずらにブルーにならないことだ。
アラフォーの皆さん
まだ潜在意識で『いつまでも若くありたい』と思っていません?
その意識は尊い。
でも、そろそろ、もう一段上に行かない?
『若さよりも数段上質な、キレイというものがある』ことを理解しましょう。
これを肝に銘じた上でアンチエイジングに励む女性は
もはや、小娘がどうあがいても得ることが出来ない
圧倒的な美を纏うことができると確信している。