母は昔、鏡に映った自分を見て、「キレイね~」と言っていた。
当時、彼女は30代。
幼かった私は、「お母さん...自分で自分をキレイって、図々しくない?おかしいよ?」
というような事を言ったと思う。
母は笑って、こう答えた。
「人に『綺麗だね』って言って欲しい、って期待するほうが図々しいんじゃない?」
母は、外見も趣味も生き方も私と全くタイプが違う女で
対立もしなければ、共有出来ることも余りなかった。
でも、
幼い頃から、私を少女や娘、というよりは、『女』として話していた。
その頃の教えが、今鮮明によみがえる。