遅咲きの子供
私は、精神年齢が普通一般より10歳ぐらい遅れているようだ。
大人になるとその辺の違いは余り意味がなくなるが、
子供時代は明確にその差が見えていたように思える。
例えば、大人びたクラスメートが恋愛ドラマを見始める10歳頃
私は、幼児番組(お母さんといっしょ、等)を好んで観ていた。
中学1年になっても、シルバニアファミリーで人形遊びをしていた。
進研ゼミの進路相談で、「希望の職業」の欄に、
「イルカの調教師になりたい」と書いた。
担当者の困惑した顔が目に浮かぶ...大学の水産学部への進学を推薦されたっけ(笑)
幸い、幼い頃から本格的にスポーツをしていたし、
それなりに切り替えをして、現実世界にも対応出来ていたけれど、
まあとにかく夢見ることが多い、幼い子供・ティーンエイジャーだった。
そんな私には、高校3年になっても、ハッキリとした進路は見えていなかった。
(何しろ、外見17歳でも、精神年齢は7歳だからね 笑)
こんな思いで大学に行き、親に学費を払わせるのは悪い。
大学→企業就職、の図が将来形成には一番、というのは勿論正論。
でも、人生というのはもっと人間臭いぐちゃっとしたものであり、
そんな綺麗な計画通りにいくものではないだろう。
敷かれたレール以外にも、何かあるはずだ...
茫然とした思いの中で、そんなことを17歳の私は考えていた。
学校・親・私の三者面談で、「大学に行かない」と言う私に、担任は怒った。
そこでの、父親の言葉。
「先生、先生のご心配はわかりますけどね...
この子はね、遅咲きなんですよ。
いつか、この子なりの時間が来たら、何かやるだろうって、信じてますよ」
40代の今... 精神年齢30代の私は、お気楽でポジティブだ。
精神年齢が「遅れている」というより、「若い」と、褒めていただくときもある。
勿論、体や責任は40代のものなので、その辺りのバランスはキチンと考える。
でも、「もう40代だから...」と老けた考えが出てこないのは、
遅咲きの特権かもしれない。