【山田詠美】師と、女磨きの裏側と
今日の一歩
女磨きの舞台裏は、他人に見せない語らない
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10代の終わりに、「メイク・ミー・シック」というエッセイと出会った
著者、山田詠美氏
少女時代をいよいよ終え、女という人生の幕開け時にいた私には、最高の指南書だったと思う
「魅力的な不作」「優美なワイルド」等の言葉に、自分の中の何かが洗練される思いだった
洗練されるための一番の方法は、洗練していると思う世界で感化されることだ
詠美氏の描く女性は、「かわいい」とはかけ離れた、粋でセクシーな成熟した女
それは当時の私の周りにはいない、しっとりとした色気のある女であって
当時も、今でも、そうありたいという思いは変わらない
断捨離にハマった時期に持ち本を全て処分してしまったので、この本は今はもう手元にない
読み返してみたら、40代の自分にはどう映るだろう?
詠美さんは黒人男性が好みで、思考も生き方も完璧に大陸的(外国寄り)だ
その思考や語り口は余りにも日本のスタンダードとはかけ離れていて、当時も賛否両論あったけれど、20年経った今でも恐らく万人受けするものではないだろう
でも、「万人受け」などは、結局のところ「強烈なスゴイ何か」が足りないということ
そんなことをいちいち気にしている女は、もう既に十分カッコ悪いわ(笑)
これは若い女性向けに大人の詠美姐さんがアドバイスするようなスタンスの本だけど
既に40を超えて既婚・子持ちの自分には、「自分は果たして、こういう大人のいい女になれたのだろうか」という、女としての生き方の姿勢を正すためのチェックリストになるだろう
それにしても、40代にしてこういう系統の本を読んでいるなんて誰かに言ったら、内心「イタい」と思われるのがオチだろう
ふふふ...イタくて結構
世間体なぞ気にしていたら、平凡で当たり障りのない中年女にしかなれない
そもそも、もう若くない女がいい女でい続けるための習慣や本心や秘訣というのは、男が知れば引くようなものばかり
女が聞いたら、「うわー... 必至感がイタい」と冷笑をかうようなものばかりなのだ
これは、「この本読みました!皆さんも読んで!」と分かち合うようなものではなく
女が一人ひっそり読んで、その事は誰にも言わずにいるための本だ
誰にも知られることなく脱毛をし、汗かきながら腹筋をし、素顔丸出しで熟睡する
でも、それで健康や美が保たれるように
キレイな女の舞台裏で、ひっそりと行われる習慣の一部になる本
うん...今度日本へ一時帰国した際には、また購入しよう
20年前だったら、昔の思い出に思いを巡らして、ここで終わらせる文章だけど
今はSNSという素晴らしいものがある
検索して見つけた、詠美姐さんの最新の宝石...
「自分の下ごしらえを怠りなくする人には敬意を表するけれど、自分磨き宣言は、あんまり聞きたくない。だって、疲れちゃうんだもの」
はい、姐さん...その通りです
私も、リアルでは「女磨きがなんちゃら」などは、決して言いません
その分、SNSで思い切り語り、最新情報から刺激を受け、同じように興味がある人達と戯れることで、バランスを取ることにします(笑)